中国語翻訳についてのガイダンス
簡体字、繁体字、広東語、普通話、等について……
中国語への翻訳、ローカライゼーション作業において、まず大事なことは?
中国語は、10億人以上の人々に話されている言語です。もちろんさまざまなバリエーションや緻密な表現や文体の違いが存在しています。これらのことは、ある中国語の文章がどのようなフォーマットやスタイルを取るべきか、を決める時に詳細に検討されなければなりません。
中国語への翻訳、ローカライゼーション作業において、まず大事なことは?
中国語は、10億人以上の人々に話されている言語です。もちろんさまざまなバリエーションや緻密な表現や文体の違いが存在しています。これらのことは、ある中国語の文章がどのようなフォーマットやスタイルを取るべきか、を決める時に詳細に検討されなければなりません。
多くの翻訳会社は、「広東語」であるとか、「普通話」などと分類しているようですが、これでは単純化し過ぎていることになり、最適なスタイルやフォーマットの選択を過つ原因となります。
日本語の漢字と同じように、表記された中国語は、表意文字から成り立っています。この書かれた中国語は中国全土で本質的には共有されているものです。しかしながら、1950年代に、中華人民共和国は、簡体字を導入し、その使用を全土で義務化しました。シンガポールは1980年代に、簡体字を導入します。これらのことが意味することは、二つの字体体系が中国語に存在しているということです。
簡体字 中国本土、シンガポールで使用されており、マレーシアでもある程度使用されています。その他の海外の華人コミュニティでも、徐々に簡体字の使用が増えて行っています。
繁体字 香港、マカオ、台湾、その他の東南アジアで使用されています。その他の海外の華人コミュニティーで、これは減少傾向にあるようですが、繁体字が使用されています。欧米系の翻訳会社が使うこれらの呼称は、厳密には正しくないのですが、簡体字で書かれた言葉を「マンダリン」、繁体字で書かれた言葉を「広東語」と呼ぶ習慣があります。技術用語、エンコード用語として、簡体字はGBと、繁体字はBIG5との名称が当てられています。
以下に、簡体字と繁体字の使用の一覧を設けました。
簡体字中国語
中華人民共和国
シンガポール
政府間の外交文書など (台湾を除く)
国際連合、その他の国連機関の文書
繁体字中国語
香港
台湾
マレーシア*
東南アジア諸国 (シンガポールを除く)
海外華人コミュニティー**
* Note – マレーシアは、標準が定められていない国になります。現地4中国語紙は
繁体字を使用しています。ですが、シンガポールが隣国ですから、どちらの字体も流通しています。翻訳案件の読者が誰になるのかを検討して、字体を決める必要があります。
** Note – 繁体字が、海外華人コミュニティーの標準字体ですが、過去10年ほどにおける中国本土からの移民の増加が、これに影響を与えています。簡体字、繁体字の双方を使用する地域政府があったり、簡体字を選ぶ自治体などもあります。翻訳案件が中国だけに留まらない場合には、ターゲットとなるコミュニティーの性格や、人口構成がどのようになっているかによって、どちらの字体を使用するかを選択する必要があります。
中国語への翻訳案件を検討する場合にもうひとつ重要なことは、 地域によって、書き方のスタイルに違いがあることです。中国語は話される人口、地域とも、とても大きな言語であり、 書き言葉のスタイルにも各地で違いがあります。香港、台湾、中国本土の政治的な違いも、その表記の違いに影響を与えています。それから、方言ももちろん書き方に影響します。翻訳サービスを選択するときは、ターゲットとする地域の書き方のスタイルを意識しておきましょう。
書き方の違いは大きく5つあると言えるでしょう: 中華人民共和国、香港 (マカオを含む) 、台湾、シンガポール (マレーシアを含む) 、 海外の華人社会
Overseas Chineseと呼ばれたり Internationalと呼ばれる表記スタイルは、慣習的に海外の華人コミュニティーで使用されてきたものです。この表記スタイルが、海外の、中国語を母国語としない国において、大きな華人社会コミュニティーが存在する場合、公的文書を中国語で発行するときに、使用されるべき中国語の表記スタイルとなります。
もし、どの表記スタイルを選ぶべきか不明な場合には、ぜひご相談ください。